稲の害虫を追い払い五穀豊穣を祈る、素朴な農村の田祭りです
竜王町では、稲の害虫を追い払い、五穀豊穣を祈願する「虫送り」が古くから行われてきました。
かつては各集落で見られた農村行事でしたが、現在では限られた集落のみがその伝統を受け継いでいます。
虫送りは、山之上(東出・西出・新村・西山)、田中、橋本、山中、岡屋、小口、薬師、七里、西川、西横関の各集落で、6月下旬から7月下旬にかけて行われます。
夕方になると、タネギ(枯れた菜種殻)などで作った松明を手にした村人が集まります。氏神の御神灯の火で松明に点火すると、鉦や太鼓をにぎやかに打ち鳴らしながら、火のついた松明を手に夕暮れの田の道を進みます。
緑一面に広がる田んぼの中を、松明の炎を揺らめかせ、煙をたなびかせながら、鉦や太鼓の音とともに進む様子は、素朴でどこか懐かしさを感じさせる農村の夏の風景です。
川の上(かみ)の集落から川下(しも)の集落へ虫送りの火を送る習慣が今も残るのが、山中・岡屋・小口・薬師・七里の各集落です(7月16日に実施。山中は7月15日)。最初の集落の虫送りの火が村境に到着するのを見届けると、順番に松明へ火を移しながら、集落から集落へと受け継いでいきます。最後の七里の松明の火が消える頃には、夏の夜空が広がります。
西川・西横関の集落では、毎年、土用入りから数えて3日目(土用三郎の日。7月22日頃、閏年は1日遅れ)に虫送りが行われます。西川の吉水神社から出発し、大洞川沿いの田んぼ道を進んで西川の外れまで火を運び、そこで松明を燃やします。燃やし終えると西横関との境まで進み、西横関の三役が出迎えてあいさつを交わし、虫送りは終了します。かつては、そこから西川・西横関の人々がともに日野川まで火を運び、川へ流していたと伝えられています。
一時期途絶えていた虫送りを復活させたのが橋本集落です。「子どもたちに伝統を残していきたい」という思いから、子どもたちが主役となる行事として受け継がれています。虫送りの前には、大人が子どもたちに松明の作り方を教えながら、一緒に準備を行います。当日は、お宮で神楽を奉納した後、子どもたちは自分たちの手で作った松明を持ち、田の畦道を進みます。
地域の人々の願いが込められた「虫送り」は、五穀豊穣を祈願するとともに、地域の絆や伝統を次の世代へ受け継ぐ大切な農村行事となっています。
山之上、田中、橋本、山中、岡屋、小口、薬師、七里、西川、西横関の地域に残る虫送り。おくろーおくろーと言いながら夕暮れの田の道を廻ります








写真は西川の虫送りです
虫送りスケジュール
| 田中 |
2026年は7月5日 |
|---|---|
| 橋本 |
2026年は7月5日 |
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山之上 |
2026年は7月5日 |
| 山中 |
毎年 7月15日 |
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岡屋・小口・薬師・七里 |
毎年 7月16日 |
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西川・西横関 |
毎年(土用入りから数えて3日目)7月21日か22日頃(土用三郎と呼ぶ) |


